馬喰横山で焼肉を食べるときに、店選びで重要視するのは、おいしく食事ができるかどうかでしょう。おいしく焼肉を食べるためには、いくつかの条件があります。まずは、その店でどのような肉が食べられるのかです。人気店を見ると牛肉は基本的に国産牛に限定しています。スーパーにいくと、牛肉コーナーは国産牛とアメリカやオーストラリア産を見かけますが、円安になったとしてもまだ国産牛の方が高くなっています。輸送費などの経費を考えると、海外の牛肉の方が高くなりそうですが、そのようなことはないようです。実際に両者の牛肉を食べると分かりますが、国産牛は脂の部分に旨味が詰まっており、一口食べただけで海外の牛肉よりおいしいといえます。国産牛のおいしさは海外の方にも知れ渡っており、現在では日本に旅行に来て、馬喰横山で焼肉を食べる観光客も増えています。
日本での食事は世界的に安いといわれており、海外からの観光客は国産牛のコースであっても無理なく食べられる金額なのです。近年の日本にくる海外の方の方が日本人よりも国産牛を食べているのではというような話もあります。確かに街を歩けば、海外の方ばかりであり、日本人よりも楽しそうに街を歩いています。一方、日本人は物の値段がものすごい勢いで上がっていってるので、普段の買い物さえも躊躇する方が増えているといえるでしょう。この流れはこれからも加速するといわれており、馬喰横山で焼肉を食べるのもかなり贅沢となってしまうかもしれません。
とはいっても、馬喰横山での食事は焼肉が中心です。それはこのエリアにはおいしい店が多いからです。店によって個性があるため、同じ国産牛であっても楽しめるようになっています。おいしさの違いを決める要素はいくつかありますが、肉の切り分けについてはあまり語られることがありません。基本的に、肉を仕入れる際には塊となっている場合が多く、それらをメニューによって切り分けます。この切り分ける作業は誰でも行えるものではないため、熟練の職人がいない場合は機械頼りとなっているケースもあります。機械は一見すると作業時間の短縮に繋がりますが、熟練の職人のように肉の塊を見て、個体差を踏まえて切り分けることはできません。その点は柔軟に対応できる職人の存在は大きいといえますし、店の評価にも繋がっているといえるでしょう。
さらに、馬喰横山の焼肉店では注文を受けてから切り分けを行います。事前に肉を切り分けておかないのには理由があって、注文を受けて切り分けた方が肉が酸素に触れる時間が短く、肉そのものが劣化しないことがあげられます。これは肉でも魚でもいえることですが、切り分けた直後から劣化のスピードが早くなってしまいます。特に高級な肉であればあるほど、劣化させるのは勿体ないので職人が1枚1枚包丁を使って切り分けていくのです。肉の塊によって脂身の部分がどのくらい入っているかは違うので、どの肉を食べても同じくらいの脂身が含まれるようにしています。肉の旨味の部分は脂身に含まれているので、この作業は非常に重要ちいえるでしょう。
さらに、肉のおいしさを決めるのはタレです。タレは、醤油、味噌、塩などの種類があり、店によって味にも大きな違いがあります。一般的に、高級な肉は肉そのものの旨味があるため、濃い味のタレはあまり使われません。中には岩塩を削る、ワサビが付いているというような食べ方をする店もあるようです。ここまでくると、タレとはいわないのかもしれません。馬喰横山の多くの店では、さっぱりしたタレを使用することが多く、醤油ベースがほとんどとです。肉の味を邪魔しないのが基本であり、脇役に徹しているタレばかりです。タレの多くは店で手作りされており、業務用のタレを使用するような店はあまり見かけません。
